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2016年8月 9日 (火)

「少女」試写会

movie「少女」試写会 8月8日スペースFS汐留 18時30分開演

湊かなえx三島有紀子ワールドを堪能してきました。
今まで観た三島監督の映画が穏やかに時間が流れるような美しい世界だったので、湊かなえさんの作品の持つ「毒」がどのように表現されるのか興味津々でした。

舞台を観ているような冒頭のシーンが印象的。あの部分をこういう風に表したのか!と驚きました。
そして過去と現在が行き来し、現実と抽象的な世界が交差して流れていく前半。
夕陽が照らす海、揺れるカーテンに感じる風・・・三島監督の美しい映像にクラシック風な音楽も心地よい。

本田翼さん、山本美月さんはちゃんと女子高校生でした。
若いって美しい、彼女達を見ているだけでも眼福。主演がこの二人で良かったと思いました。

夏休みが始まり、吾郎演じる高雄孝夫が登場する辺りから物語りがどんどん動き始める。
由紀と敦子それぞれの周りで起きる出来事がラストに向かって収束していく湊かなえ作品の緻密な謎解きの醍醐味を感じながら、監督の行き届いた演出と演技を楽しむ事ができました。

ちょうど昨年秋、舞台「No.9」の地方公演との間に撮影した高雄孝夫さん役。
ベートーヴェンとは真逆な人物をどう演じるのか、それもとても楽しみでした。
登場の時から、心に傷を持った高雄孝夫を全身に纏っていました。威圧するようなルイスの面影はどこにもなく。
ただベートーヴェンの最中だったので、少し低めでよく通る声。声がとても印象的でした。
ネタバレになるといけないのでどこかは書きませんが、その声を生かして聞かせる演出もすごく良かったです。
孝夫さん、ものすごく普通の格好なんですけど、とっても綺麗。普通だからこそ、綺麗が目立つのかしら。
でも今回の映画、その綺麗なお顔が見えない後ろ姿の演技も凄くいいんです。
雑誌のインタビューでもありましたが、監督と吾郎で高雄孝夫という人物について話し合ったという事がよく分かる後ろ姿。
何度か出てくるのですが、こんなに雄弁な背中って・・・と涙が出ました。
あ、でもお顔と言えば、クライマックス的シーンでの表情が素晴らしかった。
台詞は無くとも、高雄孝夫の全ての思いが痛いように伝わってきて、美しかった。

主題歌GLIM SPANKY「闇に目を凝らせば」もこの世界観にとても良く合っていて、エンドロールに流れる稲垣吾郎の4文字(空間配分に注目w)が嬉しかった。

全体的に説明的な台詞は少なめで美しい映像、これが三島監督の世界なんだなと思いましたが、細やかな演出が湊かなえワールドを形作っていたと思います。
高校生だけでなく、大人も楽しめる映画。
ものすごく残酷な少女たちの世界、醜い大人の世界も絡めつつ、「死ぬこと」を問い詰めていく先に「生きること」を見いだす少女たち。湊かなえの”イヤミス”もしっかり存在。
美しい作品でした。

語りすぎず観客にいろいろ考える余地を残す~よく吾郎も言っていますが~見終わった後いろいろ語りたくなる映画でした。

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吾郎映画」カテゴリの記事

コメント

「少女」試写会の感想を上げてくださりありがとうございます。原作を既に読んでしまっているので、あの湊さんの独特な文体と表現力に引き込まれた者にとって、そこを三島監督がどう演出されているかが心配だったのですが、サイトーさんの感想でその不安も吹き飛びました。「少女」は日本のあちこちで起きている闇を浮き彫りにさせた作品ですよね。ネットでの苛め、痴漢冤罪によって会社も家庭も駄目になった人が起こした裁判をニュースで知りましたが、女子高生の電車内の携帯電話の使用を注意したら、痴漢だと騒がれ、騒動に巻き込まれた会社員の話に、怒り心頭だった記憶があります。長い年月をかけての裁判には勝ったものの無くした平和な生活は戻りませんものね。

自分の身近に無い「少女」の中の話題は、受け取り手によって感想も変わってくると思います。現実に日常の何処かで似たような事が起こっていると思って、小説と同じように映画もしっかりとそのメッセージを受け止めようと思います。

吾郎さんの演技が素晴らしいとのこと。嬉しいですね!普通の人が陥れられ、その後の人生を狂わされた怒りと諦めと悲しみをサイトーさんの感想で吾郎さんが見事に表現している様が浮かび、楽しみでたまりません。よほどの演技力が無いとこういう役は務まりませんね。直接オファーしてくださった監督に感謝です。役者の階段を着実に上る吾郎さんに今後も期待しかありません。

投稿: あや | 2016年8月10日 (水) 10時12分

schoolあやさま
コメントありがとうございます。
随分いろいろ応募したのですが全部外れてしまって、吾郎ファンのお友達のおかげで2ヶ月早く観ることができました。
ネタバレ無しで感想だけ書こうと思うと本当に難しくて、毎週1本の映画のレビューを受け持っている吾郎の凄さを実感します。
少しでも作品の雰囲気を感じ取っていただけたら嬉しいです。

女子高生の夏休みの話「少女」という事で、対象を学生さんに絞っているような感じも受けますが、実は女の子の母親としても、普通の大人としても興味をそそられる内容でした。
痴漢冤罪・・・自称被害者の主張で成り立ってしまう所が怖いですね。
堂々闘った後、傷つき全てを失った悲しみとか赦し・・・複雑に織り混ざった感情が見事に表されていて、役者吾郎に改めて感嘆し、吾郎のファンで良かったと思いました。
それほど出番が多いわけではありませんが、いつも大きな存在感と印象を残していく吾郎、あやさんがご覧になった感想が今から楽しみです。

投稿: サイトー | 2016年8月10日 (水) 22時32分

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