最近の1冊
大いなる聴衆 永井するみ
コンサートの直前に主人公のピアニストの婚約者が誘拐され、当人の元に一通の脅迫状が届く。『(演奏予定の曲を変更して)ハンマークラヴィーアを完璧に演奏しろ』
札幌とロンドンの間で繰り広げられる長編サスペンス
作者が東京芸大ピアノ科中退という経歴があるだけあって、音楽に関わる者のそれぞれの立場の描き方も面白かった。天から奇跡の才能を授かった者、凡庸な才能しか与えられなかった事に気づいてしまった者、またその才能を利用する者、振り回される者、それと気づかずに傷つけてしまった者、それぞれの哀しみや運命の残酷さがおもしろく描かれていると思いました。
主人公の天才ピアニスト安積界、素晴らしい才能もありルックスもいいのに活動が地味で自分の売り方が下手なのでイマイチ人気が出なかったとか(笑)、クラシック界でもCDを売るために何でも利用する音楽事務所とか、興味を引かれるエピソードなども盛り込まれ退屈しません。
婚約者は誘拐され他にも深刻な悩みを抱えつつ、最後まで苦悩全開な安積界、もちろん吾郎の姿で最後まで読みました(笑)。
札幌とロンドンで物語りが並行して進行し、登場人物も日本人とイギリス人が半々。
実際に映像化するのはとても難しいと思うのですが、脳内妄想にはなかなかおいしい作品でした。
| 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)





最近のコメント