2018年1月17日 (水)

PRESIDENT WOMAN いま読み直したい感動の名著

1月号特集~いま読み直したい感動の名著

稲垣吾郎 当たり前の幸せに気付かせてくれる本
bookジャン=ドミニク・ボービー「潜水服は蝶の夢を見るPhoto
シネマナビで映画は紹介されていたので直ぐに観に行きとても良かったのですが、映像の無い分原作本は辛くなるのではないかと思って読みませんでした。
その後、日本では出版されていなくて今は古書しか残っていないようです。

とても良かった!
「ELLE」の編集長をしていたジャン=ドミニクは働き盛りの43歳の時に脳出血で倒れ、左目の瞬きでしか自分の意思を伝えられなくなった。瞬きの回数でアルファベットを示すという方法によって言語療法士と一字一字綴って書かれた自伝「潜水服は蝶の夢を見る」。
ジャン=ドミニクは時代の最先端に居てダンディで美味しいもの美しいものを愛し生きる事を楽しんでいた人生の絶頂期とも言える頃、突然の脳出血で倒れ身体的自由を全て奪われるロックトイン・シンドロームに陥った。
著書の中で、自分の状態について嘆いているけれどそれを俯瞰的に見て皮肉ってみたり、驚く程冷静に周囲を見渡し少しの変化に希望を持ち、前向きに生きていた事に驚き勇気を貰う。

ロックトイン・シンドロームと言われる全身麻痺によって自分の内側に閉じ込められ身体は重い鉄の塊に閉じ込められたよう・・・それを潜水服と呼び、そんな中でも心は自由に空想の世界を飛び回る蝶になる。
ちょうど風邪から喉を痛めて声が全く出ない状態になってしまった私は、(カラダは元気だったのですが)ベッドの上でこの本を読みながら、映像の無い分、読んでいる私も筆者と一緒に蝶になって過去の思い出や妄想の世界を飛ぶ事ができました。

彼は空想の中で過去の思い出からこれから行ってみたい土地までを旅し、大好きな食べ物をいつも美味しく料理し味わう・・もう旅する事も味わう事も叶わないのに。
フランス人特有の皮肉やユーモアも交えつつ美しい世界がありました。
彼の瞬きを言葉に綴った言語療法士のクロードがELLEのインタビューに答えて言った言葉が印象的でした。
「ジャン=ドミニックには、魂のエレガンスとでも言うべきものが、あったと思うのです。私は彼が不平を言ったのを、一度として聞いたことがありません。人はどれほど勇敢になれるのか、また同時に繊細になれるのかと知りました」

吾郎のブログ「マリー・ローランサン」の中に綴られた文章を思い出しました。

時代さえも彼女の自由を奪うことは出来なかった。

愛と美を貫いた美しい人生。

bookリシャール・コラス「波 蒼佑、17歳のあの日からの物語Photo_2
シャネル日本法人社長でもあるリシャール・コラス氏が、東日本大震災でボランティアとして被災地を訪問するうちにマスコミの報道とは違う現実を伝えたくて、たくさんの取材を元に書いた小説。
祖国フランスの読者に向けて2012年3月に「田んぼの中の海」として出版され、後に日本語に翻訳された。
その時、吾郎が帯を頼まれた(以前に一度雑誌で対談をしている)ので当時直ぐに読んでいます。
[吾郎の帯の文章]
人間の尊厳とはなにかを
震災を通して考えさせてくれる一冊だ  稲垣吾郎


読んでいて、その書かなければいけないという熱意が痛い程に伝わってきました。
気仙沼を舞台に、2011年3月11日高校生蒼佑の身に起こった事と、彼に会った事のない東京の叔父24歳の瑛太が被災地を訪れて感じた事としての二人の視点で書かれています。

3月10日の穏やかな家族の話から始まるこの物語、平和だった生活に訪れた世にも恐ろしい出来事が、残酷だが伝えておかなければいけない事として高校生が感じた率直な思いを通じて描かれている。
津波の恐ろしさだけでなく、命について、避けられない運命について、生き方について、家族についてなど、いろいろ考えさせられる1冊でした。

陸前高田の海の美しさを表す一節が好きです。

尚、この本の印税は「認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)」に寄付され、東北地方の子どもたちの未来のためにあてられたそうです。(以上、一部当時のブログから引用)

二人のフランス人の書いた本。
魂のエレガンス、人間の尊厳・・・
吾郎が大切にするものが伝わってきたように思いました。

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2013年1月 3日 (木)

リシャール・コラス「波」

寝ていた一日で、買っておいてなかなか読めなかった本をゆっくり読むことができました。

リシャール・コラス著「波」 ~蒼佑、17歳のあの日からの物語

コラス氏が祖国フランスの読者に向けて書いた長編小説。
被災から数週間後、被災地を回って多くの方の話を聞き、この恐ろしい津波について忘れ去られないように伝えて行かなければいけないと感じて書かれたそうだ。
読んでいて、その書かなければいけないという熱意が痛い程に伝わってきました。
フランスでは2012年3月に「田んぼの中の海」として出版され、今回日本語に訳されて出版されたそうです。
気仙沼を舞台に、2011年3月11日高校生蒼佑の身に起こった事と、彼に会った事のない東京の叔父24歳の瑛太が被災地を訪れて感じた事としての二人の視点で書かれている。

3月10日の穏やかな家族の話から始まるこの物語、平和だった生活に訪れた世にも恐ろしい出来事が、残酷で恐ろしいけれど伝えておかなければいけない事として高校生が感じた率直な思いを通じて描かれている。
津波の恐ろしさだけでなく、命について、避けられない運命について、生き方について、家族についてなど、いろいろ考えさせられる1冊でした。
同時に読み終わって、彼らは今どうしているだろうと改めて現在の東北に思いをはせる機会にもなると思いました。

陸前高田の海の美しさを表す一節が好きです。41sirdo6ztl_ss500_

尚、この本の印税は「認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)」に寄付され、東北地方の子どもたちの未来のためにあてられるそうです。

帯には吾郎がコメントを寄せています。

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2010年4月15日 (木)

淋しいおさかな  別役実

別役実さんの童話集です。
「淋しいおさかな」は収められた22の作品の中のひとつ。

広い野原の真ん中に一人住む女の子は、シクシクと泣くおさかなの夢を見ます。
何故泣くの?と尋ねると、おさかなは白い花びらのような涙をホロホロとこぼしながら「淋しいからさ」とこたえるのです。
女の子は『淋しい』という意味が分からなくて、そのおさかなに会うために海へと旅にでるのです・・・

どの作品も大人が読んで何か比喩を感じたり今の世の中と照らし合わせて苦笑したり~

あとがき」を読んで納得しました。
これはNHKの幼児番組「おはなしこんにちは」のために書かれたものだそうです。
この童話集を読んでも分かる通り、別役さんは「童話というものは子どもたちのためだけのものではない」と思っているそうですが、それでも(子ども向けの番組の為に)かなり注意深く作業を続けたとのこと。
そして、「もっとやさしいお話にするべきだ」という視聴者からの要求にもかかわらず自由に仕事をさせてくれたディレクターの方に感謝の意を述べています。
優れた才能には、優れた味方がつくのだな、と嬉しく思いました。

終わりになってしまいましたが
はじめに」に書かれている童話を読む時、についての文章もとても好きです。

別役さんは「童話は2度目に読まれる」と書いていらっしゃいます。
大人になって読んだ時にはじめてその内容が身にしみるそうです。
2度目ではなく「はじめて」知ったとしても、優れた童話が語りかけるものってとても深いですね。
そういう意味でも「忘文」は良かった・・・と思わずにはいられませんでした。

淋しいおさかな  別役実  PHP文庫

この22作品を吾郎に朗読して貰いたいheart
別役さん、ダメですか~?

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2008年6月 1日 (日)

最近の1冊

大いなる聴衆  永井するみ

コンサートの直前に主人公のピアニストの婚約者が誘拐され、当人の元に一通の脅迫状が届く。『(演奏予定の曲を変更して)ハンマークラヴィーアを完璧に演奏しろ』
札幌とロンドンの間で繰り広げられる長編サスペンス

作者が東京芸大ピアノ科中退という経歴があるだけあって、音楽に関わる者のそれぞれの立場の描き方も面白かった。天から奇跡の才能を授かった者、凡庸な才能しか与えられなかった事に気づいてしまった者、またその才能を利用する者、振り回される者、それと気づかずに傷つけてしまった者、それぞれの哀しみや運命の残酷さがおもしろく描かれていると思いました。

主人公の天才ピアニスト安積界、素晴らしい才能もありルックスもいいのに活動が地味で自分の売り方が下手なのでイマイチ人気が出なかったとか(笑)、クラシック界でもCDを売るために何でも利用する音楽事務所とか、興味を引かれるエピソードなども盛り込まれ退屈しません。

婚約者は誘拐され他にも深刻な悩みを抱えつつ、最後まで苦悩全開な安積界、もちろん吾郎の姿で最後まで読みました(笑)。
札幌とロンドンで物語りが並行して進行し、登場人物も日本人とイギリス人が半々。
実際に映像化するのはとても難しいと思うのですが、脳内妄想にはなかなかおいしい作品でした。

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2007年7月 8日 (日)

本2冊

大聖堂  ケン・フォレット

12世紀のイングランドを舞台に大聖堂の建設とそれを取り巻く人々の壮大なドラマ。600ページ程の文庫本で上・中・下の3冊。それでも気がつくと息もつかせぬ程の勢いで読み進んでいました。何人もの登場人物達の人間ドラマがそれぞれ別のところで展開していると思うと次は絡み合って物語りが進んでいく。映像で浮かんでくるような人物描写、場面の展開で、半分映画を見ているような気分で読み進んでいました。

確信犯  スティーヴン・ホーン

待ち時間の合間に古本屋さんで見つけた1冊(といっても上下巻ですが)。リーガルサスペンス大好きなので、面白かった。「人殺しをしてしまった」と打ち明けて弁護を頼んでくる大金持ちの美女と、その事件の意外な展開に振り回されながら、自分の家族の悩みも抱え奮闘する主人公の話。いかにもアメリカらしい意外な展開には驚くけれど、絶対に退屈しないのが法廷ミステリーの良いところ(笑)。制度が違うからなかなか日本ではアメリカのような派手な法廷モノが作れないとは思うけど、一度は吾郎に演じてもらいたいのが弁護士の役。弁護士吾郎、見たいよう。(これが言いたかっただけかもしれない(笑)

以上、最近読んで面白かった2作品でした。

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2007年3月15日 (木)

李歐    

吾郎ファンにならなかったらおそらく一生読まなかったと思われるこの本。でも読んでみると私の好きな世界ではないのに、ぐいぐい惹かれて読んだ覚えがあります。

最近また急に読みたくなって読みました。読む度に登場人物への愛着が沸いてきて新たな発見なども。

一彰を吾郎で、という一部の吾郎ファンの間の願望があるのを知って読み始めたのがきっかけだけど、当時はまだ二十代の吾郎で後半の一彰の姿を想像したくなかったというのも私個人の正直な気持ち。

あの白くて細い指で拳銃を組み立てたり、人妻とつきあったり、ナイトクラブのボーイになったり・・・の一彰@吾郎は想像できても、小さな工場の跡をついで一生懸命頑張ったり男の子の父親になったりする吾郎はあんまり想像したくなかったのかも。

そんな吾郎ちゃんも三十を越えた今、また激しく吾郎の演じる一彰を見たくなった。それは読んでいてますます強まって誰かに言わずにはいられなくなって、今ここに書いている訳です。

大きな美しくて強い目を持ち、しなやかな身体と誰もが美しいと思う顔立ちの李歐は・・・いろいろキャスティングを考えるのも本を読む楽しみの一つ。

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2007年3月 7日 (水)

遙かなる航跡  リシャール・コラス

吾郎ファンならご存じの例のあの本。

「自らの体験を元に書いた自伝的小説」と紹介されているように、ちょっと不思議な小説。

35年前に初めて日本に来たフランス人の18歳の少年が見たり感じたりした事がリアルに描かれていた。暖かい心とか美しい日本、でもそれだけではなく時代や土地柄による残酷な悲しさとか、何だかいろいろなものが詰まった小説だと思った。

貧乏性な私は、優雅に朝に読むことはできなかった(笑)。相変わらず本を読むのは電車の中とか待ち時間。「本を読む時間」を作って読むのはとても贅沢で素敵だと思うのだけど。

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2006年11月17日 (金)

本は大好き。でも想像や妄想の余地のある活字だけが好き。といっても、実は文学的素養は全く無くて、推理小説が大半。

最近読んだ小説で面白かったのは「容疑者」マイケル・ロボサム著   

イギリス版「Mの悲劇」(笑)。主人公は臨床心理士なんだけれど、ある殺人事件の犯人としての容疑を掛けられる。妻にも見放され、ある深刻な悩みも抱えながらも、前向きに対処していく主人公がいいと思った。親友との関係、 超エリートの父親との確執とか、自分の患者への対応なども織り込まれ、主人公の心理描写も面白いのだけれど、散漫になったりしないですっきりと終わりへと一気に読めた。

実は、主人公の顔と姿が何時の間にか吾郎になっていた(笑)。こういう役じゃないのが次は見たいんだけど、でもこういう役上手いのよね~吾郎ちゃん。

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